拙速なムードに飲み込まれず・・・親愛なる合唱団保護者の皆様へ 浜渦弘志より

震災から一週間がすぎました。
(もちろんまだ震災が終わったとは全く言えませんむしろこれからです)
いかがお過ごしでしょうか?
いまここに、震災直後から感じていたことを書きます。
そろそろ書いてもいいでしょう。
買い占めや拙速な自粛ムード、にわかに立ち上がった支援・・・
これらは、
「何かせずにはいられない」という点で共通するようにおもいます。
被災者の方々の一刻も早い復興と亡くなられた方のご冥福を祈りつつ、
今一度考えたいことがあります。
震災前から、
地道な支援活動を続けている名もない人たち。
震災前から国内外にいるぎりぎりの生活さえ許されない人たちの存在
それはDVであったり、障害者、差別、虐待、自殺者問題、紛争、ホームレスの方達の問題、等々・・・
年間3万人以上が自殺で亡くなるこの国で、何が不謹慎で何がそうでないのか?
そこには自己責任をあてはめるのか・・・?
不謹慎と叩かれている産業の中にもぎりぎりの生活をしている人がいる。
それを「被災者と比べれば」と切り捨てるのは被災者に対して失礼だし、
そもそも自分より苦労している人を前提とした幸せなんてありえないと思います。
これは震災前から、いやこの先もずっと生きている限り考えなければならない問題です。
しかし、普段から考えることをやや放棄していなかったか?
教訓にするとはこういうことに多くあるのではないでしょうか?
亡くなられた方の名簿を見ると涙が止まりません。
自分の子と同じくらいの子供も多く亡くなっている。
悲しさを通り越します・・・
しかし、
こんな時こそ、かの地のことを思いながら、
自分の普通の生活を慎んで享受する勇気を持ちたいと思います。
尊い命が多く失われた今こそ、
持続可能な自分たちのできることを考えたい。
にわかに立ち上がった若い音楽家も多くいます。
それはそれでいい。
ただしゴールのないスタートを切ったことを忘れないでほしいと思います。
拙速な支援はそれだけ疲れやすく、持続しないことは過去の経験から分かっているはずです。
さあ、出来ることはこの先、生きている限りできること。
もちろん波はあっても。
歌うこともそのひとつです。
浜渦弘志

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